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「チョークアート」作家、そして日本チョークアート協会理事長(現顧問)
株式会社アーティチョーク代表取締役でもある栗田貴子さん




■「チョークアート」の描き方

「チョークアート」は、専用の「チョークアートボード」という専用の黒い板に描かれる。ベースはMDFという集成材。その表面に細かい粒子を混ぜ込んだ黒い塗料が塗り込まれたものだ。表面は、ザラザラとした質感をしている。

そこに「オイルパス」で描いていくのだが、栗田さんは最初に擦筆(さっぴつ)という紙だけで作られたペンで下描きをする。

まっ黒なボードに、薄い線が描かれていく。もし描き直したければ、こすれば消すことができる。
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下描きができたら、いよいよ「オイルパス」を使っていく。栗田さんは、この作業を「描く」とはあえて言わず、「色をのせる」という表現をしていた。たしかに、丸い円の中に、薄い色から順に何色もの「オイルパス」を少しずつ重ねていた。
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この段階では、何が描かれているのかさっぱりわからなかった。色をのせ終わると、栗田さんは「オイルパス」を置き、ひとさし指でグリグリとこすりはじめた。すると、先ほどの色んな色が混ぜ合わされ、美しいグラデーションが生み出された。まるで魔法でも見ているようだった。どの色とどの色をどれくらいの量で混ぜると、どんな色になるかということが栗田さんには分かっているのだ。
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へたの部分を描き加え瑞々しいプチトマトがそこに生まれた。「チョークアート」では、指先も大切な画材なのだ。
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黒の色鉛筆は、仕上げに輪郭をクッキリさせるときに使う

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ものの2〜3分で描かれたプチトマト。
「チョークアート」の魅力のひとつに時間をかけずにけるということがある。
そもそも商業看板として生まれてものなので、速さはある意味必要な要素だ。


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意外な道具としては、消しゴムもある。これは「チョークアート」用に作られたもの。
色混ぜをやり直したい時など、「オイルパス」を消すことができる。



■栗田さんが最後にいきついた、ぺんてる「専門家用パス(オイルパス)」

栗田さんが現在愛用しているのは、ぺんてるの「専門家用パス(オイルパス)」。国内外のあらゆる「専門家用パス(オイルパス)」を試してきて、最終的にぺんてるのものが一番「チョークアート」にいいと断言されていた。
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その惚れ込みようはかなりのもので、栗田さんの「チョークアート」テキストでは、この作品のこの部分には、ぺんてるの「専門家用パス(オイルパス)何番を使うように」と解説されているほどだ。
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番号ごとに、色がわかりやすく並べられている。
(作品集:Chalkart Illustrated Vol.1 Veggie & Fruitより)


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左下の色丸の数字が、ぺんてる専門家用パスの色番号になっている。
(作品集:Chalkart Illustrated Vol.1 Veggie & Fruitより)



ぺんてるの「専門家用パス(オイルパス)」の良さは4つあるという。


【1】顔料がよく、色の構成もよい
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「オイルパス」の色を決めているのが顔料だ。その顔料の発色がいいという。たとえば、黄土色も何色もあるので、パンを描く時にもちょうどよいそうだ。またグリーンはさらに色数が豊富なので、様々な野菜を描き分けられる。

西洋の食べ物といった鮮やかさだけでなく、日本独自の落ちついた色あいのものを描くときにも役立つ色が揃っている。49色を駆使すれば、栗田さんいわく世の中の色で出せないものはないという。


【2】細かく描ける直方体

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他社の「オイルパス」は円柱のものが多いが、ぺんてるのものは角があるので、細かなレタリング(文字)を描く時に使いやすい。


【3】油の量が絶妙
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油が多すぎると、ベタベタしすぎてしまう。逆に少ないと、下地の黒が出やすい。ぺんてるの「専門家用パス(オイルパス)」は、その具合が絶妙。ほどよい粉っぽさもあるので、「チョークアート」ならではタッチもしっかり出せるそうだ。


【4】価格
本格的に使えて1本130円+税という手頃な価格なので、これからはじめるという方にも勧めやすいという。
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最後に栗田さんにとって、ぺんてるの「専門家用パス(オイルパス)」はどんな存在かとお聞きしてみた。

『これがなければ、納得がいく「チョークアート」を描くことができません。「チョークアート」は、美術館のように限られた場所ではなく、町中の色々なお店で掲示されるのでたくさんの人の目に触れます。私の描いた絵で、お客さんがお店を訪ねてくれるということがとても嬉しく感じます。』
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■土橋が注目したポイント
  • 看板は、今やデジタル表示など技術がどんどん進歩している。それに伴い表現できる幅も広がってきている。一方で「チョークアート」は、そうした最先端の看板の中にあっても私たちの目をとめる存在であり続けている。やはり、手描きの力というものがあるからなのだろう。
  • 「専門家用パス(オイルパス)」をチョークアートボード上にのせ、指で混ぜながら色を完成させる技法はとても興味深かった。「専門家用パス(オイルパス)」という画材の魅力を再発見した。今後、「チョークアート」専用の「オイルパス」というのが出来たら、もっと一般にも広まるのではないかと感じた。


*前編はこちら


「専門家用パス」商品詳細ページ
http://www.pentel.co.jp/products/artmaterials/pastel/specialpas/

日本チョークアート協会
http://www.chalkart-jp.org/



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