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シャープペンには、私たちが日頃よく使っている0.5mm以外に0.3mm、0.4mm、0.7mm、0.9mmなど色々な芯幅がある。
ただ、0.3mmなど芯が細くなるほど、折れやすくなるというリスクは伴う。
だから0.5mmというちょうどいい太さが一般的によく使われているのだろう。

そんな中、0.2mm芯のシャープペンが登場した。と言ってもこれが初めてという訳ではない。
以前、製図用シャープペンでは0.2mm芯があった。当時はあくまでも、そうした特定分野向けのものだった。
今回のシャープペンがすごいのは、特定分野向けではなく、一般向けであるところ。

それは、シャープペンの価格を見ればわかる。なんと500円(+Tax)。ごくふつうのシャープペンとほぼ同じような価格だ。ぺんてるからこのほど発売された0.2mm芯シャープペン「オレンズ」を、今回は取り上げたい。


 ■0.2mmシャープ芯を一般向けにできたのは?
今回の「オレンズ」シャープペンにあわせて、リニューアルされた0.2mmのシャープ芯も同時発売される。今回のものは、芯の強度を上げるためシュタイン製法で作られている。
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しかしながら0.2mmのシャープ芯は、0.5mmに比べれば半分以下の細さということで、どうしたって折れやすくなってしまう。それでは一般ユーザーがふつうに使うには少々問題だ。
それを解決したのが「オレンズ システム」
一言で説明すると、芯を出さずに書くというもの。
芯が出ていないのに書けるなんて、なんとも矛盾している。そこのところは、実際に使いながらご説明しよう。

まず、ノックボタンを1回カチッと押す。
この1回というのがポイント。2回ではいけない。
1回ノックすると、ペン先のパイプがニョキッと出てくる。
パイプは出ているだけで、芯は見えていない。もう1回ノックして芯を出したいところだが、そこをグッと我慢する。
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ちなみに、この時芯はどうなっているかというと、見えてはいないもののパイプの先端ギリギリまで出てきている。この芯が露出していないペン先のまま紙の上に書いていく。
これではさすがに書けないでしょ、と思いつつ書いてみると、これが不思議と書けてしまう。
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目を凝らしてパイプの先端をみると、芯がほんのわずかだけ出てきている。
書くことで芯が少しばかり露出されたのだ。と言っても、芯が出てきたのではない、パイプの方が引っ込んだのだ。


ためしに、指先でパイプをつまんでスライドさせると引っ込んでいく。つまり、紙面にパイプがあたることでほんの少しだけパイプが引っ込み、芯が露出したのだ。
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 不思議に思うのは、書いた時にパイプが紙をこする感触がなかったこと。これは一体どうしてなのか?
 


■書き味は犠牲にしない
この「オレンズ」を開発した方によると、実は書いている時にはパイプの角っこは紙にこすりつけられているそうだ。それを踏まえ、パイプの角を加工して丸みを帯びさせることで書き味をスムーズにさせているのだ。

「オレンズ」は、一般的なシャープペンの10倍以上の時間をかけて丁寧に加工しているという。
たしかに、よく見てみるとパイプの角がなだらかになっている。
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ちなみに、「オレンズ」を書き込んでいって、そのパイプの角がさらに馴染んでいけば、より書きやすくなるそうだ。

パイプに覆われた芯のまま書くというのは、かなり違和感があるものだが、考えてみれば、私たちがシャープペンを使っている時はあくまでも芯の先端だけで書いている。芯の先端以外は使っていない。そう考えると、芯がパイプに覆われていると言っても普通のシャープペンと変わらない。つまり、芯のほとんどがパイプに守られている構造だから、芯の折れが限りなく防げるようになっている。 



■ノック回数が減る
このパイプは3mmという長さがある。書いては芯が減っていく訳だが、それに伴い少しずつパイプが引っ込んでいく。つまり、はじめにカチッとワンノックすれば、パイプに覆われた3mm分の芯をノックなしにそのまま書き続けられることになる。
ふつうなら、カチカチと2回くらいノックして芯を出し、その芯が減ってなくなったら、再びノックが必要になる。「オレンズ」では、カチッとワンノックだけ。

下の写真はワンノックだけで、どこまで書けるかを試したもの。
ノートの半分以上は楽々書けてしまう。思考を中断させないシャープペンとも言える。
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ただ、このことは、一方でパイプがだんだんと短くなるので、ペン先まわりの視界の様子も変化していくことを意味する。そのためだろうか、口金が2段のゆるやかな段差がある。
パイプが長いとき、短いときのいずれでもバランスがとれるようにしているようだ。
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■0.2mm芯でも普通に書けるという驚き
「オレンズ」でたくさんの文字を書いていて、フト感じたのが、書き味が普通であったこと。
普通というのは決して悪い意味ではない。冒頭でも触れたが、今回の0.2mm芯は折れづらくするため芯の強度が上げられている。そうすると、芯は硬めになり、書き味もどうしても硬めになりがちだ。しかし、この0.2mm芯はそうしたことを感じさせないくらい、いつもどおりに滑らかに書いていけた。
これには正直驚いた。
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■芯の偏減りからの解放
シャープペン芯は、ずっと同じ向きで書いていると、芯の片側だけ減る「偏減り(かたべり)」が起きる。それが0.2mm芯では、ほとんど気にならなくなる。たしかに0.2mm芯でも同じ向きで書き続けていれば、「偏減り」は実際起きる。しかし、そもそも0.2mmという大変細い芯なので、起きたとしても筆跡の太さにはそれほど大きな影響はない。これは0.2mm芯ならではだ。
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消しゴムに付いている「クリーナーピン」に注目。
中央がクローバースタイルになっているのは、
針状のクリーナーピンの視認性を高める実用と、開発者の遊び心からだという
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土橋の注目したポイント
  • いよいよ0.2mm芯シャープペンが誰にでも使いやすい時代になった。
  • 書き心地は犠牲にしない徹底した作り込みは、0.5mmシャープペンを世界に先駆けて作ったぺんてるならでは。
  • 0.2mmシャープペンを楽しめるのは、現在「オレンズ」だけ。


 「Orenz(オレンズ)」商品紹介動画
 


「Orenz(オレンズ)」商品詳細ページ
http://www.pentel.co.jp/products/automaticpencils/orenz/




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