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0.2mm、0.3mmという超極細芯でも折れることを気にせず、いつものように書くことができる「オレンズ」。
芯を露出させずにガイドパイプで覆いながら書くという独自のスタイルも、当初は戸惑いがあったようだが、すっかり定着してきている。2014年2月の発売以来、500万本も売れているという。

「オレンズ」のメインユーザーは中高生。勉強で長時間快適に書きたいのでラバーグリップを付けて欲しいという要望が数多く寄せられていた。それを受け「オレンズ」にラバーグリップタイプが登場した。

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「オレンズ」のプロダクトデザインを担当した商品開発本部 デザイン室 プロダクトデザイングループ 柴田智明さん(写真左)
開発を担当した商品開発本部 シャープ企画開発部 シャープ開発課 古市明典さん(写真中)
企画担当 国内営業本部 マーケティング推進部 筆記具・修正具グループ 水口和也さん(写真右)
 


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「オレンズ」発売直後に多くのユーザーから
ラバーグリップタイプの要望があり、その声を受け水口さんが企画した


■「オレンズ」らしさのあるラバーグリップ
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ラバーグリップでは、新色としてオレンジが加わった

これまでの「オレンズ」に単にラバーグリップを付けるだけと思われるかもしれないが、実はそれほど簡単なことではない。というのも、「オレンズ」のボディはとてもスリム。ラバーグリップを付けると、どうしても太くなってしまう。
一方、極細の文字を書く時は、握るグリップも同じように細い方がしっくりくる。相矛盾することを両立させなくてはならないのだ。

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小さいドライバーを操作するには握る軸も細い方が扱いやすい。
「オレンズ」のグリップにも同じ考えが取り入れられている。


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「極細の文字を書くにはボディもスリムであるべき」とプロダクトデザイナーの柴田さん


「超極細シャープペンとしてのオレンズのシルエットは維持したまま、グリップが滑らないという機能だけを加えたかったんです」デザインを担当した柴田さんはそう話す。

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従来の「オレンズ」のデザインを踏襲しているのがわかる

では、薄いラバーを作ってセットすればよいのだが、薄くしていくと使っていくうちにボディからラバーがずれていってしまうリスクが出てくる。ラバーがずれることなく、同時にオレンズらしいシルエットを保つという難しさがあるのだ。
 
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ラバーグリップの両端を絞るように細くしている


柴田さんが取り組んだのは、最小限の薄さにし、その上でグリップの中でスリムにできるところを細くするという発想だ。
「オレンズ ラバーグリップ」では、グリップの両端を絞るように細くしている。それにあわせてボディがラバーにつながるようにデザインされている。こうすることで、ラバーグリップとボディに一体感が生まれている。ラバーグリップというとボディから大きく張り出した「取って付けた感」というものが多いが、これは境目の段差もスムーズに仕上げられている。 

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両端を絞ったことで、ラバーグリップの中央はふっくらと膨らんだ樽状になっている。実は、もともとの「オレンズ」グリップもわずかだが同じように樽状フォルムをしている。「オレンズ」らしさのあるラバーグリップに仕上がっている。 

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柴田さんが検討した数々の「オレンズ」ラバーグリップ案



筆記時のペン先まわりの視界も良好
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左がラバーグリップタイプ、右がこれまでの「オレンズ」。
ペン先自体のフォルムは同じ。

0.2mm、0.3mmの超極細芯で書く時に気になることと言えば、ペン先まわりの視界だ。その視界を左右するのがペン先のデザインである。
先金フォルムは、従来の「オレンズ」と全く同じものになっている。先金の中央が凹んだ独特の形状だ。

ラバーグリップが付いたことで、それが損なわれてしまってはいけない。ラバーグリップはそもそもできるだけ薄くし、さらに先端も細く絞りこまれているので、ペン先まわりを隠すことなく快適に筆記できるようになっている。

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ラバーグリップを絞りこんだことで、ペン先まわりの視界も確保されている


ちなみに、唯一先金の根もとだけはすこしばかり太くなっている。これは、ラバーグリップとの境目をつなぐためだ。同時にラバーがずれていくのを防ぐストッパーの役割も果たしている。

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ペン先とラバーグリップの境目はスムーズにつながっている



■超極細筆記がコントロールしやすいラバーグリップ

最後に「オレンズ ラバーグリップ」のライティング インプレッションを。

まず、ノックを押してみる。ノック音がこれまでの「オレンズ」よりも静かなことに気づく。従来のものは「カチカチ」と高い音がしていたが、ラバーグリップの方は「カチカチ」というよりも「プチプチ」という控えめな音。
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静かなノック音


ラバーグリップは少々硬めで、ギュッと力をこめても凹むことはなくしっかり握れる。
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「オレンズ」の極細ライティングをラバーグリップになっても快適に味わえる


書きはじめるとじわりじわりと感じてくるのが、書き味のスムーズさ。従来の「オレンズ」よりもほんのわずかなレベルだがスムーズさを感じた。これは私の勝手な想像だが、紙の繊維という細かな凸凹を芯先が走る時の振動がラバーグリップが吸収してくれているのではないかと思う。

小さな文字を書く時は、グリップのちょっとした握り心地が筆記に影響を与えてしまう。今回のラバーグリップはすべらずしっかりと握れるので、そのコントロールがとても快適にできた。超極細「オレンズ」ライティングをより楽しめるタイプだ。 
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開発担当の古市さんによると、公には発表していないが、実はマイナーチェンジも行われているという。
それは芯を送り出すチャック機構。ノックをすると、チャックが広がり芯を送り出す役割をしているパーツだ。このチャックの広がる直径をほんのわずかだけ小さくしているそうだ。
これによりなにが良いかというと、芯が常にまっすぐに送り出されるようになる。チャックが開く直径が大きいと、そのすき間に芯が入り込んでしまうことがある。特に「オレンズ」のように0.2mmや0.3mm細い芯の場合は、こうした点も気をつけないといけないのだという。 
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密かにマイナーチェンジが行われている「オレンズ」
 

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 古市さんの愛用「自作カスタマイズ」モデル
オレンジボディにブラックのラバーグリップをセット。
ご自身いわく「ジャイアンツファンなので」とのこと。
他のカラーのカスタマイズも楽しめそうだ!


土橋が注目したポイント
  • 細かな文字を書いていくには、それをコントロールするグリップが重要な役割を果たす。今回のラバーグリップは、その意味でオレンズらしさをより味わえるものだと感じた。すべらず、正確な超極細ライティングが楽しめる。
     
  • ラバーグリップが加わったことで、超極細「オレンズ」の書き味が選べるようになった。ちなみに、2016年1月には「オレンズ メタルグリップ」も登場するそうだ。そちらも楽しみだ!
     

オレンズ ラバーグリップ付きタイプ」商品詳細ページ
http://www.pentel.co.jp/products/automaticpencils/orenz_grip/



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